読書の秋はなぜ?由来と意味|いつからいつまでかも解説

読書の秋はなぜ?由来と意味|いつからいつまでかも解説 読書の秋・言葉・イラスト

秋になると「読書の秋」という言葉をよく目にするけれど、なぜ秋が読書なのか、いつからそう言われるようになったのかは、意外と説明できないものですよね?

この記事では、読書の秋の由来と意味、読書の秋はいつからいつまでなのか、そして秋に本が読みやすくなる理由を解説します。

読み終えるころには、読書の秋の由来を人に説明できるようになり、今年の秋に何をどう読むかも決められるようになります。

読書の秋はなぜ?由来は中国の漢詩と夏目漱石の『三四郎』

読書の秋はなぜ?由来は中国の漢詩と夏目漱石の『三四郎』

読書の秋の由来は、中国・唐の詩人である韓愈(かんゆ)の漢詩にある「灯火稍く親しむべし」という一節だといわれています。

この言葉が、明治時代に夏目漱石の小説『三四郎』で使われたことで日本に広まり、「秋は読書に向いた季節」というイメージが定着していきました。

さらに戦後の1947年に「読書週間」が始まり、毎年秋に読書をすすめる行事が続いてきたことも、読書の秋という言葉を後押ししています。

つまり読書の秋とは、「涼しくなって夜が長くなる秋は、明かりのもとで本を読むのにちょうどいい」という昔の人の感覚が、文学と行事を通して受け継がれてきた言葉です。

「読書の秋」が広まるまでの流れ
「読書の秋」が広まるまでの流れ

読書の秋とは?「灯火親しむべし」の意味と由来

読書の秋とは?「灯火親しむべし」の意味と由来

読書の秋とは、秋は気候がよく夜も長いので、読書をするのにいちばん向いている季節だという意味の言葉です。

「食欲の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」と並んで、秋の過ごし方を表す言葉として使われています。

韓愈の漢詩「符読書城南」

由来とされるのは、唐の時代の詩人・韓愈が、息子に学問の大切さを説いた「符読書城南(ふ、書を城南に読む)」という漢詩です。

この詩の中に「時は秋にして積雨霽れ、新涼郊墟に入る。

灯火稍く親しむべく、簡編巻舒すべし」という一節があります。

長雨がやんで秋の涼しさが町はずれにまで広がり、ようやく灯りに親しんで書物を広げられる季節になった、という意味です。

ここから、秋の夜に明かりをともして本を読むことを「灯火親しむべし」と表すようになりました。

夏目漱石『三四郎』で日本に広まった

日本でこの言葉が広く知られるきっかけになったのが、1908年に発表された夏目漱石の『三四郎』です。

作中に、登場人物の与次郎が落ち着いてきて「灯火親しむべし」などという漢語を借りて喜ぶようになった、という一文があります。

明治の人気作家の小説に登場したことで、「秋といえば読書」という結びつきが一般にも広まっていったと考えられています。

読書週間が「読書の秋」を定着させた

もう一つの大きな理由が、毎年秋に行われる読書週間です。

読書週間は、終戦まもない1947年に「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という決意のもと、出版社や書店、図書館、新聞・放送などが協力して始めた行事です。

翌年から期間が10月27日から11月9日までの2週間に定められ、書店のフェアや図書館のイベントが毎年秋に開かれるようになりました。

秋になると本にまつわる行事が増えることも、読書の秋という言葉を身近にしてきた理由の一つです。

読書の秋はいつからいつまで?何月のこと?

読書の秋はいつからいつまで?何月のこと?

読書の秋に「何月何日から」という決まった期間はなく、一般には9月から11月ごろの秋全体を指します。

暦の上では立秋(8月上旬)から秋ですが、実際に「本が読みやすい」と感じるのは、残暑がやわらぐ9月の終わりごろからという人が多いでしょう。

9月に読書の秋を感じる人が多い理由

9月は、夏休みが終わって生活のリズムが戻り、夜が少しずつ長くなる時期です。

秋分の日(9月23日ごろ)を過ぎると昼より夜のほうが長くなるので、夜に本を開く時間がとりやすくなります。

書店や図書館でも、9月ごろから秋の読書フェアを始めるところが多く、「そろそろ読書の秋」と感じるきっかけになります。

読書の秋のピークは読書週間の10月27日〜11月9日

行事の面で読書の秋がいちばん盛り上がるのは、読書週間の10月27日から11月9日までです。

この2週間は文化の日(11月3日)をはさんでいて、各地の図書館や書店、出版社が読書にまつわるイベントや秋の読書キャンペーンを行います。

毎年テーマとなる標語が決められ、ポスターも作られるので、学校や図書館で見かけたことがある人も多いはずです。

時期 読書の秋としての目安
9月 残暑がやわらぎ、夜が長くなりはじめる。書店の秋フェアが始まる
10月 いちばん過ごしやすい季節。10月27日から読書週間
11月 読書週間は11月9日まで。夜長が続き、冬に向けて読書時間を確保しやすい

秋に本が読みやすくなる3つの理由

秋に本が読みやすくなる3つの理由

由来とは別に、秋が実際に読書に向いていると感じられるのには、暮らしの中の理由があります。

理由1:涼しくて集中しやすい

夏の暑さがやわらぎ、エアコンに頼らなくても過ごせる日が増えると、じっと座って文字を追うのが楽になります。

暑さや寒さで気が散りにくい気温は、長い時間本に集中するのに向いています。

理由2:夜が長くなる「秋の夜長」

秋は日が暮れるのが早くなり、夜の時間が長く感じられる季節です。

外で過ごす時間が自然と減るぶん、家で落ち着いて本を読む時間が生まれます。

韓愈の詩にある「灯火親しむべし」も、まさにこの秋の夜長の過ごし方を表した言葉です。

理由3:本と出会う機会が増える

秋は読書週間に合わせて、書店のフェアや図書館のおすすめ展示、出版社の秋の読書キャンペーンが増える時期です。

ふだん手に取らないジャンルの本と出会いやすいので、新しい一冊を試すのにもいいタイミングです。

読書の秋は、気候・夜の長さ・本と出会う機会の3つがそろう、読書を始めるのにいちばん始めやすい季節です。

秋が読書に向いている3つの理由
秋が読書に向いている3つの理由

読書の秋の楽しみ方|今年の秋に試したい過ごし方

読書の秋の楽しみ方|今年の秋に試したい過ごし方

せっかくの読書の秋なので、いつもより少しだけ読書を特別な時間にしてみませんか。

秋にちなんだ本を選ぶ

紅葉や月、実りなど、秋を舞台にした小説やエッセイを選ぶと、季節の空気と物語が重なって印象に残ります。

「芸術の秋」「食欲の秋」に合わせて、美術や音楽、料理をテーマにした本を選ぶのも楽しい読み方です。

夜の読書タイムを決める

寝る前の30分など、毎日同じ時間に本を開くと、秋のあいだに読書が習慣になりやすくなります。

ベッドで読むなら、手元を照らす読書灯があると目が疲れにくくなります。

図書館や書店のイベントに行ってみる

読書週間の時期は、図書館の講演会やおはなし会、古本市などのイベントが各地で開かれます。

近くの図書館のホームページやお知らせを見て、気になる催しに足を運んでみると、次に読みたい本が見つかります。

読んだ本を記録する

秋に読んだ本のタイトルと一行の感想をノートやアプリに残しておくと、読書の秋が終わったときに振り返る楽しみができます。

冊数が目に見えると、冬になっても読書を続けるきっかけになります。

読書の秋にやってみたいことのチェックリスト
読書の秋にやってみたいことのチェックリスト

よくある質問

よくある質問

読書の秋の由来を簡単に言うと?

中国・唐の詩人である韓愈の漢詩にある「灯火稍く親しむべし」という一節が由来です。

秋は涼しく夜も長いので、明かりのもとで本を読むのにいい季節だという意味で、夏目漱石の『三四郎』に登場したことで日本に広まりました。

読書の秋は何月から?

決まった開始日はなく、一般には9月から11月ごろの秋全体を指します。

行事として盛り上がるのは、10月27日から11月9日までの読書週間です。

なぜ「読書の秋」というの?

秋は気候が穏やかで夜が長く、落ち着いて本を読みやすい季節だからです。

昔の漢詩や文学に加えて、秋に読書週間が行われてきたことも、この言葉が定着した理由です。

「灯火親しむべし」の読み方と意味は?

「とうかしたしむべし」と読みます。

秋の夜は涼しく長いので、灯りの下で読書をするのにふさわしい、という意味です。

食欲の秋やスポーツの秋との違いは?

どれも「秋は〇〇に向いている季節」という意味で使われる言葉です。

読書の秋には、漢詩の一節と漱石の小説という、言葉としてたどれる由来があるのが特徴です。

読書の秋に英語の言い方はある?

英語には決まった言い回しはなく、「autumn is the best season for reading」のように説明するのが一般的です。

「秋は読書にいい季節」という感覚そのものは、日本の季節の言葉として説明を添えて伝えると伝わりやすくなります。

まとめ:読書の秋は漢詩と漱石が広めた、本を読むのにいちばんいい季節

まとめ:読書の秋は漢詩と漱石が広めた、本を読むのにいちばんいい季節

読書の秋の由来と意味を振り返ります。

知りたいこと 答え
読書の秋の由来は? 唐の韓愈の漢詩「灯火稍く親しむべし」
日本で広まったきっかけは? 夏目漱石『三四郎』(1908年)と、1947年に始まった読書週間
いつからいつまで? 決まりはなく9〜11月ごろ。ピークは10月27日〜11月9日の読書週間
なぜ秋が読書に向いている? 涼しい・夜が長い・本と出会うイベントが多い

今年の秋は、気になっていた一冊を手元に置いて、夜の読書タイムを楽しんでみてください。

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