小学生の子どもにもっと本を読んでほしいけれど、ゲームや動画に夢中で本に手が伸びない、読書が嫌いにならないように親はどう関わればいいのか、学年に合った読書の進め方が分からずに悩んでいませんか?
この記事では、小学生の読書量の実態を公的な調査で確認したうえで、読書のメリット、1年生から6年生までの学年別の読書の進め方、読書習慣をつける親の関わり方、読書嫌いの小学生への接し方を解説します。
読み終えるころには、子どもの学年と性格に合った関わり方が分かり、無理なく読書を好きにさせる家庭の工夫を今日から始められるようになります。
読書と小学生|1か月の平均は12.1冊、ただし家庭の関わりで差がつく

全国学校図書館協議会の第70回学校読書調査(2025年)では、小学4〜6年生の5月1か月間の平均読書冊数は12.1冊で、1冊も読まなかった子は9.6%でした。
小学生は、中学生(3.9冊)や高校生(1.4冊)に比べてよく本を読んでいる時期です。
一方で、文部科学省の令和7年度全国学力・学習状況調査では、平日に授業以外で読書を「全くしない」小学6年生が29.0%いて、よく読む子と読まない子の差も見えてきます。
小学生のうちは、家庭での声かけや本のある環境が読書量に大きく関わるので、親の関わり方が読書習慣づくりのカギになります。

小学生の読書のメリット

読書のメリットを子どもの成長の面から見てみましょう。
言葉に触れる量が増える
本には、ふだんの会話ではあまり使わない言葉や言い回しがたくさん出てきます。
文脈から言葉の意味を推測しながら読む経験を重ねることで、使える言葉が少しずつ増えていきます。
読書が好きな子ほど国語の正答率が高い傾向
令和7年度の全国学力・学習状況調査では、読書が好きと答えた小学6年生の国語の平均正答率は73.6%で、好きではないと答えた子の56.2%より高くなっていました。
ただし、これは読書と成績の関係を示したもので、読書をすれば成績が上がると証明したものではありません。
知らない世界や人の気持ちに触れられる
物語を通して、自分とは違う立場の登場人物の気持ちを想像したり、図鑑や科学の本で知らない世界を知ったりできるのも、読書ならではの良さです。
読書と学力の関係は読書と勉強・学力の関係|データで見る効果と読書は勉強に入るかでくわしく紹介しています。
学年別|小学生の読書の進め方

小学生の6年間は、文字を読む力も興味の広がりも大きく変わる時期です。
1年生・2年生:読み聞かせと絵本から
読書を1年生から始めるときは、ひとりで読ませるより、読み聞かせや親子で交代して読むことから始めましょう。
小学2年生の読書では、絵が多く一話が短い本や、絵本から少し長めの幼年童話へ移っていく子が多くなります。
字を追うのに時間がかかる時期なので、「読めた」という達成感を大切にしてください。
がまくんとかえるくんの短いお話が5つ入ったアーノルド・ローベルの『ふたりはともだち』(三木卓訳・文化出版局)のように、一話が短い本がこの時期に向いています。
3年生・4年生:ひとりで読み切る経験を
読書で3年生ごろになると、章に分かれた少し長い物語をひとりで読めるようになってきます。
読書で4年生の子に本を選ぶときは、シリーズものなど続きが気になる本を選ぶと、次々に読み進めるきっかけになります。
黒ねこが知らない町でたくましく生きていく斉藤洋さんの『ルドルフとイッパイアッテナ』(講談社)のような、少し長めの物語に挑戦してみましょう。
読んだ本の記録をつけ始めるのにもよい時期です。
5年生・6年生:ジャンルを広げる
読書で5年生・6年生になると、物語だけでなく、伝記やノンフィクション、科学の本なども読めるようになります。
興味のあるテーマについて調べるための読書も増える時期なので、図書館の使い方を一緒に確認しておくと役立ちます。
物語なら、岡田淳さんの『二分間の冒険』(偕成社)や、R・J・パラシオの『ワンダー』(中井はるの訳・ほるぷ出版)のように、読み終えて考えたくなる本がおすすめです。
学年別のおすすめの本は、感想文向けの読書感想文におすすめの本【小学生】学年別の名作と書きやすい本の選び方も参考になります。

あわせて読みたい:読書週間はいつ?期間と由来・今年の標語|読書月間との違い
読書習慣を小学生のうちにつける親の関わり方

読書習慣を小学生のうちに身につけておくと、中学生になってからも本を読む土台になります。
本が手にとりやすい場所に置く
文部科学省の委託で行われた「子供の読書活動の推進等に関する調査研究」(平成28年度)では、家庭の蔵書数が多く、家族に本を買ってもらったり紹介してもらったりする子どものほうが本を読んでいる、という結果がまとめられています。
リビングのテーブルやソファの近くなど、子どもがよくいる場所に本を置いておきましょう。
読む時間を決める
「夕食のあとの15分」「寝る前の10分」のように、毎日同じ時間を読書の時間にすると、習慣になりやすくなります。
親も同じ時間に本を読むと、子どもが「読書は家族みんながすること」と感じやすくなります。
読んだ本の話を聞く
「どんな話だった?」「誰が好き?」と、読んだ本について聞いてあげると、子どもは読んだことを言葉にする練習になります。
感想をうまく言えなくても、否定せずに聞いてあげることが大切です。
記録で読んだ量を見えるようにする
読書カードやシール、図書館の読書通帳などで読んだ本を記録すると、たまっていく記録が続ける励みになります。
記録の方法は読書記録を小学生が楽しく続ける方法|読書カード・シール・図書館の通帳で紹介しています。
小学生の読書習慣は、「読みなさい」と言うより、本が身近にあって家族が本を楽しんでいる環境で育ちます。
読書嫌いの小学生への接し方

読書嫌いの小学生に無理に本を読ませると、ますます本から遠ざかってしまうことがあります。
好きなことに関係する本から
サッカー、恐竜、ゲーム、料理など、子どもが好きなことに関係する本なら、読書が苦手な子でも手に取りやすくなります。
図鑑や学習漫画から入るのも一つの方法です。
短い本や一話完結の本を選ぶ
一冊を読み切るのが難しい子には、一話が数ページで終わる本や、絵の多い本を選びましょう。
朝の読書推進協議会のアンケートでも、小学校で『5分後に意外な結末』シリーズ(Gakken)や『54字の物語』(氏田雄介・PHP研究所)のような短い話を集めた本が、よく読まれた本として挙がっています。
読み聞かせを続ける
自分で読むのが苦手な子でも、読み聞かせなら物語を楽しめることがあります。
読書嫌いの子には「たくさん読ませる」より「一冊を楽しめた」経験を増やすことを優先しましょう。

よくある質問

小学生は1か月に何冊くらい読めばいい?
決まった目安はありませんが、学校読書調査(2025年)では小学4〜6年生の平均は1か月12.1冊でした。
冊数よりも、楽しんで読めているかを大切にしましょう。
1年生の読書は絵本でもいい?
もちろん絵本でもかまいません。
絵本は、絵と言葉で物語を味わう大切な読書で、少しずつ文字の多い本へ移っていけば十分です。
漫画ばかり読むのは読書に入る?
学校の読書記録では漫画を数えないこともありますが、漫画から本に興味を広げる子もいます。
学習漫画や漫画のノベライズなど、漫画と本の中間にある本を置いてみるのもおすすめです。
読み聞かせは何年生まで続けていい?
何年生までという決まりはありません。
子どもが喜ぶなら高学年になっても続けてよく、親子で本の話をする時間になります。
小学生に読書をさせるアプリはある?
読んだ本を記録するアプリや、図書館の電子書籍サービスなどがあります。
選び方は読書アプリは小学生にどれがいい?無料で使える記録と読み物の選び方で紹介しています。
読書が嫌いな小学生にどんな本を選べばいい?
子どもの好きなことに関係する本や、一話が短い本、図鑑や学習漫画がおすすめです。
本人に選ばせることで、読む意欲が高まります。
まとめ:小学生の読書は家庭の関わりで育つ

小学生の読書について振り返ります。
| 学年・場面 | ポイント |
|---|---|
| 1年生・2年生 | 読み聞かせと絵本から、読めた達成感を大切に |
| 3年生・4年生 | シリーズものでひとりで読み切る経験を |
| 5年生・6年生 | 伝記・ノンフィクションなどジャンルを広げる |
| 読書習慣 | 本を身近に置く・時間を決める・話を聞く |
| 読書嫌い | 好きなことの本・短い本・読み聞かせ |
子どもの読書全体の取り組みは子どもの読書まとめ|読書量のデータと朝読書・読書週間・家庭での習慣づくりでまとめています。
子どものペースに合わせて、本を楽しむ時間を少しずつ増やしていきましょう。

