読書感想文の宿題があるのに、部活や塾で忙しくて長い本を読む時間がない、できれば中学生でも短い本で済ませたい、と思っていませんか?
この記事では、読書感想文におすすめの本のうち、中学生・高校生が短い時間で読み切れて、しかも感想を書きやすい作品を紹介し、短い本で書くときのコツも解説します。
読み終えるころには、自分の学年と残り時間に合った1冊が決まり、短い本でも薄い感想文にならない書き方が分かるようになります。
読書感想文におすすめの本|中学生なら短い名作短編が書きやすい

中学生が短い本で読書感想文を書くなら、1〜2時間で読み切れる名作の短編が、テーマがはっきりしていて書きやすい選択肢です。
短編の名作は、短い文章の中に「人は追いつめられたとき、どうするのか」といった問いが一つに絞りこまれています。
そのぶん、どの場面を取り上げて何を考えるかが決めやすく、感想文の軸がぶれません。
この記事で紹介する本は、書名・作者・出版社を出版社の公式サイトや青空文庫などで確かめたものだけです。
短い本を選ぶことは手抜きではありません。
読んだ時間より、どれだけ考えたかが感想文の中身を決めます。

中学生向け|読書感想文に使える短い本

まずは、中学生が読みやすく、自分の体験とも結びつけやすい短い本です。
『走れメロス』太宰治
友人を人質に残し、約束の日没までに戻ろうと走り続けるメロスの物語です。
途中でくじけそうになるメロスの心の動きがていねいに描かれていて、「信じること」「約束を守ること」について自分の経験と比べながら書けます。
『蜘蛛の糸』『トロッコ』芥川龍之介
『蜘蛛の糸』は、地獄に落ちたカンダタが、お釈迦様が下ろした一本の糸をのぼる話で、数分で読めるほど短い作品です。
『トロッコ』は、トロッコに乗りたい一心で遠くまで来てしまった少年・良平が、一人で暗い道を帰る心細さを描いています。
どちらも、自分だけ助かりたい気持ちや、子どものころの不安といった、だれにでも覚えのある気持ちから書き始められます。
『夏の庭』湯本香樹実
『夏の庭―The Friends―』は、「人が死ぬ瞬間を見てみたい」と、一人暮らしのおじいさんを見張り始めた小学生3人が、しだいにおじいさんと心を通わせていく物語です(新潮文庫)。
生きることや死ぬこと、年の離れた人との関わりについて、中学生の目線で考えを深められます。
『西の魔女が死んだ』梨木香歩
学校に行けなくなった少女まいが、祖母のもとで「魔女修行」をしながら過ごす日々を描いた作品です(新潮文庫)。
長編の中では読みやすい長さで、「自分で決める」ことの意味について、自分の生活と重ねて書きやすい本です。
高校生向け|読書感想文に使える短い本

高校生は、短くても読み返すたびに考えることが増える、奥行きのある作品がおすすめです。
『羅生門』芥川龍之介
仕事を失い、羅生門の下で途方に暮れる下人が、死人の髪の毛を抜く老婆に出会い、自分の生き方を決めてしまう短編です。
「生きるためなら悪は許されるのか」という問いに、自分なりの答えを出す形で感想文を組み立てられます。
『山月記』中島敦
詩人になる夢に破れた李徴が虎になってしまい、旧友の袁傪に自分の心の内を語る物語です。
李徴が自分を分析する「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」という言葉は、進路や人間関係に悩む高校生の実感と結びつけやすいテーマです。
『高瀬舟』森鴎外
弟を死なせた罪で島流しになる喜助と、彼を護送する同心・羽田庄兵衛の会話を描いた短編です。
足るを知ること、そして苦しむ弟を死なせたことは罪なのかという問いが投げかけられ、意見を述べる感想文に向いています。
『老人と海』ヘミングウェイ
不漁続きの老漁師が、たった一人で巨大なカジキと何日も格闘する物語で、新潮文庫では高見浩の訳で読めます。
海外文学の中では短く、あきらめない姿や、勝ち負けの意味について考えを書けます。
『カラフル』森絵都
死んだはずの「ぼく」の魂が、自殺を図った中学3年生・小林真の体に「ホームステイ」して生き直す物語です(文春文庫)。
家族や友人の見え方が少しずつ変わっていく展開から、人のいろいろな面をどう受け止めるかを考えられます。

短い本で読書感想文を書くときのコツ

短い本は読むのが早いぶん、感想文が薄くならないように書き方を工夫します。
2回読んで、2回目に付せんをはる
短編なら2回読んでも時間はかかりません。
1回目は話の流れをつかみ、2回目は心が動いた場面や引っかかった言葉に付せんをはりながら読むと、書く材料が一気に増えます。
場面を1つにしぼって深く書く
短い本は出来事が少ないので、あらすじで字数を埋めようとすると、すぐに書くことがなくなります。
短い本ほど、あらすじを短くして、1つの場面について「なぜ」を重ねて考える字数を増やします。
作者や時代の背景を少しだけ調べる
名作短編は、書かれた時代の状況を知ると、登場人物の行動の見え方が変わることがあります。
調べたことを1〜2文加えると、考えに厚みが出ますが、感想文の主役はあくまで自分の考えです。

短い本を選ぶ前に確認しておきたいこと

短い本で書くときは、学校の決まりやコンクールの条件も確かめておきましょう。
学校の指定に「〇ページ以上」などの条件がないか
学校によっては、本の種類やページ数に条件をつけていることがあります。
宿題のプリントを見直してから選ぶと、書き直しになる心配がありません。
コンクールに出すなら紙の本で読む
青少年読書感想文全国コンクールの公式Q&Aでは、短編集の中の1編だけを読んで書くことも認められています。
教科書に載っている作品も、教科書ではなく書籍として出ている本で読めば対象になります。
ただし電子書籍は対象外なので、青空文庫などで読んだ場合も、応募するなら紙の文庫本で読み直しておきましょう。
短さ以外の基準で選びたいときは読書感想文のおすすめの本【中学生】|学年別の名作と課題図書や読書感想文のおすすめの本【高校生】|近代文学・現代小説・戦争の名作も参考にしてください。
よくある質問

読書感想文に短い本を選ぶと評価が下がる?
本の長さそのもので評価が決まるわけではありません。
短い本でも、場面を深く読み取り、自分の考えを書けていれば、十分に読みごたえのある感想文になります。
中学生が1日で読める短い本は?
『走れメロス』『蜘蛛の糸』『トロッコ』のような短編なら、1日どころか1〜2時間で読み切れます。
短編集の1編を選べば、忙しい時期でも無理なく準備できます。
高校生の読書感想文に短編は子どもっぽい?
『羅生門』や『山月記』のように、高校生が読んでも考えることの多い短編はたくさんあります。
大切なのは作品の長さではなく、自分の言葉でどこまで考えを深められるかです。
短い本だと2,000字も書けない?
1つの場面について「なぜそう思ったか」「自分にも似たことはあったか」「作者は何を伝えたかったか」と問いを重ねれば、2,000字は十分に書けます。
あらすじを長くするより、問いを増やすほうが字数も中身も増えます。
絵本や漫画でも読書感想文を書いていい?
コンクールの自由読書では、応募要項で除外されている教科書や雑誌などを除けば、漫画や図鑑でも応募できるとされています。
学校の宿題の場合は、先生の指定を確認してから選びましょう。
短い本はどこで探せばいい?
図書館や書店の文庫の棚で、短編集や名作シリーズを探すのが近道です。
学校図書館の先生に「短くて感想文を書きやすい本」と相談するのもおすすめです。
まとめ:短い本こそ「1つの場面を深く」

読書感想文に使える短い本をふり返ります。
| こんな人に | おすすめの短い本 |
|---|---|
| 中学生・約束や友情で書きたい | 『走れメロス』太宰治 |
| 中学生・とにかく短く | 『蜘蛛の糸』『トロッコ』芥川龍之介 |
| 中学生・生と死や家族を考えたい | 『夏の庭 The Friends』湯本香樹実/『西の魔女が死んだ』梨木香歩 |
| 高校生・意見をはっきり書きたい | 『羅生門』芥川龍之介/『高瀬舟』森鴎外 |
| 高校生・自分の悩みと重ねたい | 『山月記』中島敦/『カラフル』森絵都 |
| 高校生・海外文学に挑戦 | 『老人と海』ヘミングウェイ |
短い本を選んだら、2回読んで付せんをはり、1つの場面をじっくり考えるところから始めてみてください。

