読書感想文の書き方を調べても、説明だけではピンとこなくて、「実際の文章で見せてほしい」「例文を見ながら書きたい」と思っていませんか?
この記事では、読書感想文の書き方を、はじめ・なか・おわりの部分ごとの例文と、よくない例を直した改善例で解説し、例文を自分の文章に変える手順まで紹介します。
読み終えるころには、例文のどこをまねして、どこを自分の言葉に置きかえればいいかが分かり、写さずに自分の感想文を組み立てられるようになります。
読書感想文の書き方を例文で見る|型は「はじめ・なか・おわり」

読書感想文は、はじめに「本との出会いと第一印象」、なかに「心に残った場面と自分の考え・体験」、おわりに「読んで変わったこと」を書く型で組み立てれば、どの学年でも形になります。
例文を読むときは、文章そのものより、この3つの部分がどう並び、どんな順番で考えが深まっているかに注目してください。
この記事の例文は、すべてこの記事のために作ったオリジナルです。
題材は、著作権が切れている芥川龍之介の『蜘蛛の糸』と、説明のために作った架空の本『灯台のある町』にしています。

はじめ(書き出し)の例文

はじめの部分は、読み手が「続きを読みたい」と思うかどうかを決めます。
気持ちから始める例文
読み終えたとき、わたしは自分の足もとに細い糸がたれているような気がして、少しこわくなった。
本を読み終えた瞬間の気持ちを、たとえを使って書いています。
「おもしろかった」ではなく、どんなふうに心が動いたかを一文で表すのがコツです。
問いかけから始める例文
もし自分がカンダタだったら、下からのぼってくる人たちに「この蜘蛛の糸は己のものだぞ」と叫ばずにいられただろうか。
読みながら浮かんだ疑問をそのまま書き出しにすると、感想文全体のテーマが最初に伝わります。
本を選んだ理由から始める例文
『灯台のある町』を選んだのは、夏休みに祖父の住む港町へ行ったとき、夜の海を照らす灯台の光が忘れられなかったからだ。
選んだ理由に自分の体験を入れると、はじめから「自分の感想文」になります。
なか(本文)の例文|場面・考え・体験をつなぐ

なかの部分は、感想文でいちばん字数を使うところです。
「場面→どう思ったか→なぜか→自分の体験→考えたこと」の順につなげます。
いちばん心に残ったのは、カンダタが糸の下を見おろし、「下りろ。
下りろ。
」とわめく場面だ。
自分さえ助かればいいという気持ちが、せっかくの糸を切ってしまう。
わたしは最初、カンダタはなんて自分勝手なのだろうと思った。
けれど、もう一度読み返して、わたしも同じことをしたことがあると気づいた。
部活の練習試合で、自分が出たいあまりに、けがをした友だちの代わりに出られると聞いて、少しほっとしてしまったのだ。
そのときの自分の心は、糸の下を見おろしたカンダタとそっくりだった。
この例文では、1回目に読んだときの感想と、読み返して気づいたことの2段階で考えが深まっています。
登場人物を批判するだけでなく「自分にも同じところがある」と気づいた段落が、感想文の中心になります。

おわり(まとめ)の例文

おわりの部分では、本を読む前と後で変わったことと、これからどうしたいかを書きます。
お釈迦様は、カンダタが一度だけくもを助けたことを思い出して、糸を下ろした。
小さなやさしさは、だれかがちゃんと見ている。
わたしも、自分だけが得をしたいと思ったときには、あの細い糸を思い出して、まわりの人のことを考えられる人になりたい。
本の中の出来事から学んだことを、自分の生活の具体的な場面に置きかえて締めています。
「これからはがんばりたいです。
」のような、どの本にも使える結びにしないのがポイントです。
よくない例文と改善例

読書感想文でよくある失敗を、改善例と並べて紹介します。
あらすじばかりになっている例
(よくない例)カンダタは地獄にいました。
お釈迦様は糸を下ろしました。
カンダタはのぼりました。
下から人がのぼってきました。
糸が切れました。
(改善例)糸が切れたのは、カンダタが「下りろ」と叫んだ瞬間だった。
わたしは、糸を切ったのはお釈迦様ではなく、カンダタ自身の心だったのではないかと思う。
あらすじを並べるのではなく、出来事に対して自分がどう考えたかを1文でも入れると、感想文に変わります。
「思いました」が続く例
(よくない例)かわいそうだと思いました。
自分勝手だと思いました。
こわいと思いました。
(改善例)はじめはかわいそうだと感じた。
だが読み返すうちに、自分勝手さがこわくなってきた。
文末を変えるだけでなく、気持ちが変わっていく流れを書くと、読みごたえが出ます。

例文を自分の読書感想文に変える4ステップ

例文は、写すためではなく、自分の感想文の設計図として使います。
- 例文の「はじめ・なか・おわり」に線を引き、それぞれ何を書いているかを一言でメモする
- 自分が読んだ本で、同じ役割の場面や気持ちを探す
- 例文の体験の部分を、自分の本当の体験に置きかえる
- 文章は例文を見ずに、自分のメモだけを見て書く
最後のステップで例文を閉じて書くのが、写さないためのいちばん確実な方法です。
学年別の例文は、読書感想文の書き方【小学生3年生】構成と例文|書き出しのコツや読書感想文の中学生向け例文|『走れメロス』で見る5枚の構成と書き出しで紹介しています。
ネットの例文をそのまま使うことの問題は読書感想文で中学生のコピペはバレる?丸写しせずに早く書く方法でまとめました。
よくある質問

読書感想文の例文をそのまま写してもいい?
写して提出するのはやめましょう。
例文は構成や言葉の選び方を学ぶための見本で、写した文章はあなたの感想文にはなりません。
例文はどの部分を参考にすればいい?
段落の順番、場面と自分の体験のつなぎ方、書き出しと結びの形の3つを参考にします。
体験や気持ちの中身は、自分のものに置きかえてください。
入賞作品を例文として読んでもいい?
青少年読書感想文全国コンクールの公式サイトでは、過去の上位入賞作品を読むことができます。
書き方を学ぶために読むのはよい方法ですが、文章をまねして使うのはやめましょう。
例文を見ても書けないときはどうする?
いきなり文章にしようとせず、「心に残った場面」「なぜ」「似た体験」の3つをメモで書き出してみてください。
メモを例文の型に当てはめると、書く順番が見えてきます。
例文の長さはどのくらいが参考になる?
自分が書く字数に近い例文のほうが、段落の数や配分の参考になります。
コンクールでは小学1・2年生が800字以内、3〜6年生が1,200字以内、中学生と高校生が2,000字以内です(第72回)。
例文の題材はどんな本が多い?
昔から読まれている名作や、その年の課題図書を題材にした例文が多く見られます。
自分が読んだ本と同じ題材の例文を探すより、型が分かる例文を1つ読むほうが役に立ちます。
まとめ:例文は「型を見る」ために使う

読書感想文の書き方と例文の使い方をふり返ります。
| 部分 | 例文で見るポイント |
|---|---|
| はじめ | 気持ち・問いかけ・選んだ理由のどれで始めているか |
| なか | 場面→考え→自分の体験→気づきの順につながっているか |
| おわり | 読んで変わったことを自分の生活の場面で書いているか |
| よくない例 | あらすじばかり・「思いました」の連続 |
| 使い方 | 型をメモしたら例文を閉じ、自分のメモで書く |
全体の書き方の流れは読書感想文の書き方|構成・書き出し・原稿用紙のルールを5ステップででも解説しています。

