「若者の読書離れ」「日本人の6割が本を読まない」といったニュースをよく目にするけれど、読書離れは本当なのか、ただの思い込みではないのか、実際のところが気になっていませんか?
この記事では、読書離れとは何かを確認したうえで、文化庁や学校の読書調査などの公的なデータから、大人と子どもの読書離れが本当に起きているのかを解説します。
読み終えるころには、読書離れのニュースを数字で正しく読めるようになり、自分や家族の読書との付き合い方を考えるきっかけがつかめます。
読書離れは本当?大人も子どもも本を読まない人が増えている

公的な調査のデータを見るかぎり、読書離れは本当で、大人も子どもも、本を1冊も読まない人の割合が増えています。
あわせて読書離れの原因と解決策も参考にしてください。
文化庁の令和5年度「国語に関する世論調査」では、1か月に本を1冊も読まない人が62.6%で、これまでの調査の4割台後半から大きく増えました。
子どもでも、全国学校図書館協議会の第70回学校読書調査(2025年)で、5月の1か月に本を1冊も読まなかった高校生が55.7%と、前の年より7.4ポイント増えています。
ただし、調べ方が変わった調査もあり、数字の読み方には注意が必要です。

読書離れとは?活字離れとの違い

読書離れとは本を読む人や時間が減ること
読書離れとは、本を読む人の割合や、読む冊数・時間が減っていく傾向のことを指す言葉です。
「若者の読書離れ」のように、特定の年代について使われることも多くあります。
文字は毎日読んでいる人が多い
似た言葉に「活字離れ」がありますが、今の日本人は文字そのものから離れているわけではありません。
文化庁の同じ調査では、本を1冊も読まない人のうち75.3%が、SNSやネットの記事などを「ほぼ毎日読む」と答えています。
読む対象が本からスマホの画面に移っているというのが、今の読書離れの特徴です。
大人の読書離れはデータで本当か

1か月に1冊も読まない人は62.6%
文化庁の令和5年度「国語に関する世論調査」では、1か月に読む本(電子書籍を含み、雑誌と漫画は除く)が「読まない」と答えた人は62.6%でした。
平成20年度・25年度・30年度の調査では、「読まない」は46〜47%台で推移していました。
調査方法が変わった点には注意
令和5年度の調査は、それまでの面接での聞き取りから、郵送での回答に方法が変わっています。
文化庁も、以前の結果は参考値で、比べるときは注意が必要だとしています。
とはいえ、同じ調査で「読書量は以前に比べて減っている」と答えた人は69.1%にのぼり、本人の実感としても読書量が減っていることがうかがえます。
一方で、雑誌や漫画を含めて電子書籍を「よく利用する」「たまに利用する」人は40.3%いて、本を読む形そのものも変わってきています。

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子どもの読書離れはデータで本当か

学校読書調査:2025年は小中高すべてで不読率が上昇
全国学校図書館協議会の第70回学校読書調査(2025年)では、5月の1か月の平均読書冊数は、小学生12.1冊、中学生3.9冊、高校生1.4冊でした。
くわしくは読書離れのデータ最新版で解説しています。
1冊も読まなかった「不読者」の割合は、小学生9.6%、中学生24.2%、高校生55.7%で、すべての校種で前の年より増えています。
小学生の冊数は、2024年に過去最高の13.8冊を記録したあと、一転して減りました。
読書時間0分の子どもは半数を超える
東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の共同調査では、小学1年生から高校3年生までのうち、1日の読書時間が「0分」の子どもが2024年に52.7%となり、2015年の34.3%から約1.5倍に増えました。
学年が上がるほど読まない子の割合は高くなり、小学1〜3年生でも33.6%でした。
子どもの読書離れは、小学生のうちから始まっていることがデータから分かります。
読書離れに関する最近のニュース

読書離れは、ここ数年、公的な調査の発表のたびにニュースで大きく取り上げられています。
| 時期 | 主なニュース |
|---|---|
| 2024年9月 | 文化庁の国語に関する世論調査で、月に1冊も読まない人が62.6%と発表 |
| 2025年10月 | 東大社研・ベネッセの調査で、読書時間0分の子どもが半数を超えたと発表 |
| 2025年秋 | 第70回学校読書調査で、小中高すべての不読率が上がったと発表 |
大学生でも、全国大学生活協同組合連合会の第61回学生生活実態調査(2025年秋実施)で、1日の読書時間は2022年をピークに短くなっていると報告されています。
同じ調査では、週のアルバイト時間が23時間以上の学生の63.6%が、読書時間0分と答えていました。
読書離れが進む主な原因

読書離れの原因として、調査でいちばん多く挙がっているのはスマホなどの情報機器です。
文化庁の調査で、読書量が減っていると答えた人に理由を尋ねたところ、「情報機器(携帯電話、スマートフォン、タブレット、パソコン、ゲーム機等)で時間が取られる」が43.6%で最も多く、「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」が38.9%で続きました。
16〜19歳では、情報機器を理由にあげた人が70.9%にのぼっています。
読書の良さを改めて知りたい方は読書の効果とメリットまとめ|本を読むと何が変わるかを研究とデータで解説で紹介しています。

よくある質問

読書離れはいつから言われている?
学校読書調査では、2000年代にも子どもの不読率が今と同じくらい高い時期があり、読書離れは以前から話題になってきました。
最近は、大人の不読率が6割を超えたことで、あらためて注目されています。
若者の読書離れは本当?
高校生の不読率が55.7%、大学生で読書時間0分の学生が多いことなどから、若者の読書離れはデータでも確認できます。
ただし文化庁の調査では、1か月に1冊以上読む人の割合は年代によって大きな差がなく、若者だけが読んでいないわけではありません。
電子書籍は読書に入らない?
文化庁の国語に関する世論調査では、電子書籍を読んだ場合も本を読んだものとして数えています。
電子書籍が増えたから読書離れしているように見える、というわけではありません。
読書離れで何が困る?
本をよく読む人ほど語彙や読解力が高いという研究は多く、読書離れが進むと、長い文章を読んで考える機会が減ることが心配されています。
読書の意味は読書とは?本を読むことの意味と定義|読書体験・読書人の意味もで紹介しています。
読書離れの最新データはどこで見られる?
大人は文化庁「国語に関する世論調査」、子どもは全国学校図書館協議会「学校読書調査」の公式ページで結果を確認できます。
どちらも調査の方法や人数が公開されています。
まとめ:読書離れは本当、ただし文字は毎日読んでいる

読書離れについて振り返ります。
| 対象 | データ |
|---|---|
| 大人 | 月に1冊も読まない人が62.6%(文化庁 令和5年度) |
| 高校生 | 5月に1冊も読まない人が55.7%(学校読書調査 2025年) |
| 小中高生 | 読書時間0分が52.7%(東大社研・ベネッセ 2024年) |
| 主な原因 | スマホなど情報機器で時間が取られる(43.6%) |
読書離れは、データで見ても本当に起きています。
一方で、人々は毎日たくさんの文字を読んでいて、読む対象が本から画面へ移っているのが今の姿です。
読書の効果を研究から知りたい方は読書の効果|研究で分かっている読書の良さと根拠が弱い話も参考にしてください。

