本を読んだほうがいいとは分かっていても、忙しい毎日の中で時間を使うだけのメリットが本当にあるのか、読書を趣味にすると何が変わるのか、いまひとつピンとこないことはありませんか?
この記事では、読書をするメリットを7つに分けて、研究やデータで裏づけのあるものと、読む人の実感として語られるものを区別しながら解説します。
読み終えるころには、自分がどのメリットを目当てに本を読みたいのかがはっきりして、読む本の選び方や続け方が決めやすくなります。
読書のメリットは「言葉・知識・考える力・心・健康」に表れる

読書のメリットは、語彙が増える、知識が広がる、考える力と集中力が育つ、気分を切り替えられる、年をとっても頭を使う習慣になる、という形で表れます。
このうち、語彙や読解力とのつながりは多くの研究で確かめられている一方、ストレスや共感力については、まだ研究が少なかったり結果が分かれていたりします。
本を読む人が得ているものを、根拠の強さと合わせて見ていきましょう。

読書をするメリット7つ

メリット1:語彙と読解力が伸びる
本には、日常会話ではあまり使わない言葉や言い回しが多く出てきます。
2011年に発表された、99の研究をまとめて分析した研究では、ふだん本をよく読む人ほど語彙や読解力が高いという関係が、幼児から大学生まで一貫して見られたと報告されています。
メリット2:知識が体系的に身につく
ネットの情報が断片的になりがちなのに対して、本は一つのテーマを最初から最後まで筋道立てて説明しています。
点ではなく線や面として知識を得られるのは、本ならではのメリットです。
メリット3:考える力と集中力が育つ
長い文章を読むには、前の内容を覚えておきながら話の流れを追い続ける必要があります。
一つのテーマをじっくり追う経験を重ねることで、筋道を立てて考える力や、一つのことに集中する力が鍛えられます。
メリット4:気分を切り替えられる
アメリカの学生を対象にした2009年の小規模な研究では、30分の読書で血圧や心拍数、ストレスの自己評価が下がり、ヨガやユーモアと同じくらいの効果だったと報告されています。
好きな本に没頭して悩みからいったん離れる時間は、手軽な気分転換になります。
メリット5:ほかの人の人生や考えに触れられる
小説やエッセイ、伝記を読むと、自分とは違う時代や立場の人の考え方に触れられます。
ただし、「小説を少し読むだけで共感力が上がる」という2013年の研究は、別の研究者が大人数で確かめたところ同じ結果が出なかったと報告されているので、効果を言いすぎないようにしたいところです。
メリット6:頭を使う習慣が続けられる
アメリカのラッシュ大学の2013年の研究では、読書や書き物など頭を使う活動を晩年も多く続けていた高齢者は、記憶力の低下が約32%ゆるやかだったと報告されています。
読書は年をとっても一人で手軽に続けられる、頭を使う活動の代表です。
メリット7:会話の話題と自分の意見が増える
読んだ本の内容は、人と話すときの話題にもなります。
本の感想を言葉にしようとすると、自分がどう感じ、どう考えたのかを整理する練習にもなります。

読書を趣味にするメリット

読書は、趣味として見てもメリットの多い活動です。
お金をかけずに始められる
公共図書館を使えば、本は無料で借りられます。
買う場合も、一冊の本で何時間も楽しめるので、時間あたりの費用はほかの趣味に比べて抑えやすいといえます。
一人で、どこでも、すきま時間にできる
読書は相手や道具、場所を選びません。
通勤電車や待ち時間、寝る前の15分など、生活の中のすきま時間を楽しみの時間に変えられます。
年齢を問わず一生続けられる
体力が必要な趣味と違い、読書は子どもから高齢の方まで、自分のペースで一生続けられます。
読書を長く楽しんでいる人の性格や共通点は、読書好きな人の特徴で紹介しています。
本を読む人と読まない人の割合は、文化庁の令和5年度「国語に関する世論調査」で年齢別に見てもあまり差がなく、どの年代にも本を楽しむ人がいることが分かります。
あわせて読みたい:読書の効果は大人になってからでもある?社会人が本を読む意味
読書のメリットを感じやすくする読み方

同じ本を読んでも、読み方しだいで得られるものは変わります。
目的を決めてから本を選ぶ
「仕事のヒントがほしい」「気分転換したい」など、目的を先に決めると、読み終えたあとに得たものを実感しやすくなります。
読んだら一言だけ書き残す
心に残った一文と一行の感想をノートやアプリに残すと、内容を思い出すきっかけになり、記憶にも残りやすくなります。
合わない本は途中でやめてもいい
最後まで読まなければと思うと、読書そのものが負担になってしまいます。
数十ページ読んでも入り込めない本は、いったん閉じて別の本に移るのも、読書を続けるコツです。
読書のメリットは一冊で劇的に表れるものではなく、読む習慣が続くほど少しずつ積み重なっていくものです。

読書のデメリットと注意点

メリットの多い読書にも、気をつけたい点があります。
- 長時間読むと目が疲れやすい
- 姿勢が悪いと肩や首がこりやすい
- 夢中になって睡眠時間が削られることがある
- 読むだけで満足して、行動につながらないことがある
30分から1時間に一度は目を休める、寝る前は終わりの時間を決めておく、読んだことを一つだけ試してみる、といった工夫で防げます。
よくある質問

読書のメリットで一番大きいものは?
研究の多さで見ると、語彙や読解力とのつながりがいちばん確かなメリットです。
ただ、どのメリットが大きいと感じるかは、何のために読むかによって変わります。
読書はメリットしかないって本当?
メリットは多いものの、目の疲れや睡眠不足などのデメリットもあります。
無理のない時間と量で楽しめば、デメリットはほとんど気にならなくなります。
読書を趣味にするメリットは?
図書館を使えばお金をかけずに始められ、一人で、どこでも、年齢を問わず続けられることです。
読んだ本の話で人とつながれるのも、趣味としての良さです。
大人になってから読書を始めてもメリットはある?
語彙や知識、考える力は大人になってからでも読書で伸ばせます。
読書と健康の関係を調べた研究の多くも、中高年を対象にしています。
小説を読むメリットは?
物語に没頭して気分を切り替えられることや、自分とは違う立場の人の考えに触れられることがメリットです。
実用書とは違う形で、言葉や想像する力にも触れられます。
本を読む人と読まない人の違いは?
よく読む人ほど語彙や読解力が高い、学力テストの正答率が高いといった傾向がデータで見られます。
ただし、読書だけが原因とは言い切れず、家庭環境や興味の持ち方なども関係していると考えられます。
まとめ:読書のメリットは続けるほど増えていく

読書のメリットを振り返ります。
| メリット | 根拠 |
|---|---|
| 語彙・読解力 | 99の研究のまとめで、よく読む人ほど高い |
| 知識・考える力 | 一つのテーマを筋道立てて追える本ならではの良さ |
| 気分転換 | 30分の読書でストレス指標が下がった小規模研究あり |
| 頭を使う習慣 | 続けた高齢者は記憶力の低下が約32%ゆるやか |
| 趣味としての良さ | お金をかけずに、一人で、一生続けられる |
読書のメリットは、読む習慣が続くほど大きくなっていきます。
まずは興味のある一冊から、1日10分でも本を開く時間をつくってみてください。
読書の効果の全体像は読書の効果とメリットまとめ|本を読むと何が変わるかを研究とデータで解説で、研究の中身は読書の効果|研究で分かっている読書の良さと根拠が弱い話で紹介しています。

