高校生の読書感想文、せっかくなら読みごたえのある本で書きたいけれど、何を選べば自分の考えを深く書けるのか、戦争をテーマにした本ならどれがいいのか、迷っていませんか?
この記事では、高校生の読書感想文におすすめの本を、近代文学、現代小説、戦争を考える本、今年度の課題図書に分けて紹介します。
本の選び方と、選んだ本で考えを深めるヒントもあわせて解説します。
読み終えるころには、自分が本当に考えてみたいテーマに合った一冊を選べるようになり、その本で何を書くかの見通しも立てられます。
読書感想文のおすすめの本【高校生】は「問いが生まれる本」

高校生の読書感想文には、読み終えたあとに「人はなぜこうするのか」「自分ならどう生きるか」といった問いが自然に生まれる本を選ぶと、深い感想文が書けます。
高校生の感想文では、心に残った場面を紹介するだけでなく、そこから生まれた問いについて自分の考えを筋道立てて書くことが求められます。
そのため、答えがはっきり書かれている本より、読者に考える余地を残してくれる本のほうが、感想文には向いています。
この記事で紹介する本は、出版社のサイトと書店・書誌サイトで書名・著者・出版社を確かめた、長く読み継がれている作品です。

高校生の読書感想文の本の選び方

高校生が本を選ぶときは、次の3つを意識してみてください。
自分が考えてみたいテーマから選ぶ
友情、生き方、働くこと、戦争と平和など、自分が今いちばん考えてみたいテーマから本を選ぶと、感想文に熱がこもります。
少し背伸びした本に挑戦する
高校生の感想文では、中学生のころより少し難しい本に挑戦すると、考えを深める材料が増えます。
ただし、締め切りまでに読み切れる長さかどうかは必ず確認しましょう。
教科書で出会った作家の別の作品を読む
国語の授業で読んだ作品の作家の、別の作品を読んでみるのもおすすめです。
授業で学んだことと比べながら書けるので、考えを深めやすくなります。
近代文学のおすすめ本

長く読み継がれてきた近代文学は、時代をこえて考えられるテーマを持っています。
『こころ』夏目漱石(新潮文庫)
鎌倉の海で「先生」と出会った「私」が、やがて先生の遺書によって、親友Kとの間にあった過去を知る物語です。
友情と恋、罪の意識、人を信じることについて、自分の考えを書くことができます。
『山月記・李陵 他九篇』中島敦(岩波文庫)
詩人として名を残そうとした李徴が虎になってしまう『山月記』をはじめ、11の作品を収めた一冊です。
自尊心や才能、人の目を気にする心について、今の自分と比べて考えられます。
あわせて読みたい:読書感想文の書き方【小学生】|学年別のポイントと短い例文
現代小説のおすすめ本

現代を舞台にした小説は、自分の生活と重ねて考えやすいのが魅力です。
『羊と鋼の森』宮下奈都(文春文庫)
高校生の外村が、ピアノの調律師・板鳥との出会いをきっかけに、調律の道を歩み始める物語で、2016年の本屋大賞を受賞しました。
進路や、自分に向いていることを見つけるとはどういうことかを考えられます。
『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス(ハヤカワ文庫NV、小尾芙佐訳)
知能を高める手術を受けたチャーリイ・ゴードンの変化を、本人の経過報告の形で描いた物語です。
賢さと幸せの関係、人の価値は何で決まるのかについて、自分の意見を書きやすい作品です。

高校生の読書感想文におすすめの戦争の本

戦争をテーマにした本は、今の平和な生活と比べながら、自分にできることを考えられるので、高校生の感想文によく選ばれます。
『黒い雨』井伏鱒二(新潮文庫)
原爆が落とされたあとの広島を舞台に、黒い雨を浴びた姪の体をむしばむ病と、その家族の不安な日々を描いた小説で、1966年に野間文芸賞を受賞しました。
『アメリカひじき・火垂るの墓』野坂昭如(新潮文庫)
空襲で家を失った兄と幼い妹の姿を描いた『火垂るの墓』など、戦争や焼け跡の体験をもとにした短編を収めた一冊で、表題の2作で直木賞を受賞しています。
短編なので、限られた時間でも読み切りやすい作品です。
『アンネの日記 増補新訂版』アンネ・フランク(文春文庫、深町眞理子訳)
ナチスの占領下で、隠れ家に暮らしたユダヤ人の少女アンネが、13歳から15歳にかけて書いた日記です。
同じ年ごろの少女が何を考え、何に悩んでいたのかを、自分と比べて考えられます。
『夜と霧 新版』ヴィクトール・E・フランクル(みすず書房、池田香代子訳)
精神科医の著者が、ナチスの強制収容所での体験を記録した本です。
極限の状況で人は何を支えに生きるのかという問いを、自分の生き方と結びつけて書けます。
戦争の本で感想文を書くときは、「戦争はいけないと思った」で終わらせず、本の中の具体的な場面から、自分が何を考え、これからどうしたいかまで書くことが大切です。
2026年度(第72回)の課題図書【高等学校の部】

全国学校図書館協議会と毎日新聞社が主催する青少年読書感想文全国コンクールの、2026年度(第72回)高等学校の部の課題図書は次の3冊です。
| 書名 | 著者 | 出版社 |
|---|---|---|
| スウィッシュ! | 藤ノ木優 著 | 徳間書店 |
| ノアハム・ガーデンズの家 | ペネロピ・ライヴリー 著、斎藤倫子 訳 | ゴブリン書房 |
| 平和のうぶごえ:「原爆の子」として生きた80年 | 早志百合子 著 | 毎日新聞出版 |
コンクールには、課題図書で書く「課題読書」と、自由に選んだ本で書く「自由読書」があり、それぞれに一人1編ずつ応募できます。
自由読書では、教科書や雑誌、課題図書などは対象外とされているので、応募する場合は公式サイトの応募要項を確認してください。
選んだ本での書き方は読書感想文の書き方【高校生】|評価される構成と書き出し・名前の書き方で、ジャンル別のおすすめ本は読書感想文のおすすめの本|書きやすい本の選び方とジャンル別の名作で紹介しています。

よくある質問

高校生の読書感想文にはどんな本がおすすめ?
読み終えたあとに「自分ならどう生きるか」といった問いが生まれる本がおすすめです。
この記事では『こころ』『山月記』『羊と鋼の森』などを紹介しています。
戦争をテーマにした本で書くときの注意点は?
「戦争はいけない」という一般的な結論だけで終わらせないようにしましょう。
本の中の具体的な場面から考えたことを書き、今の自分の生活や社会とつなげると、読みごたえのある感想文になります。
近代文学は難しくて読めるか不安
『山月記』のような短い作品から始めると、読み切りやすくなります。
分からない言葉は注釈や辞書で確かめながら、自分のペースで読み進めてください。
教科書に載っている作品で書いてもいい?
学校の宿題で使ってよいかは、先生に確認してください。
青少年読書感想文全国コンクールの自由読書では教科書は対象外なので、応募する場合は、選んだ本が対象になるかを応募要項で確かめましょう。
課題図書と自由読書のどちらで書けばいい?
課題図書は年齢に合った本が選ばれているので、本選びに迷ったときに向いています。
自由読書は、自分が本当に考えたいテーマの本で書けるのが強みです。
読むのが遅くて長い本が読み切れない
短編集や、200ページ前後の本を選ぶと読み切りやすくなります。
『アメリカひじき・火垂るの墓』のような短編集なら、一編だけ選んで感想文を書くこともできます。
まとめ:考えてみたいテーマから一冊を選ぼう

高校生の読書感想文におすすめの本を振り返ります。
| 分類 | おすすめの本 |
|---|---|
| 近代文学 | こころ/山月記・李陵 他九篇 |
| 現代小説 | 羊と鋼の森/アルジャーノンに花束を |
| 戦争を考える | 黒い雨/アメリカひじき・火垂るの墓/アンネの日記/夜と霧 |
| 課題図書(第72回) | スウィッシュ!/ノアハム・ガーデンズの家/平和のうぶごえ |
高校生の感想文は、本をきっかけに自分の考えを言葉にする貴重な機会です。
いちばん考えてみたいテーマの一冊を選んで、じっくり読んでみてください。
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