読書感想文を書こうとしても、「おもしろかった」の次に何を書けばいいのか分からない、書き出しで何時間も止まってしまう、そんな経験はありませんか?
この記事では、読書感想文の書き方を、書く前の準備から原稿用紙の構成、書き出しのコツ、字数が足りないときの対処法まで、順番に解説します。
ミステリーや歴史の本で書くときのポイントも紹介します。
読み終えるころには、何をどの順番で書けばいいかが分かり、自分の言葉で最後まで書き切れるようになります。
読書感想文の書き方は「メモを作ってから4つのまとまりで書く」

読書感想文は、読みながら心が動いたところをメモしておき、そのメモを「書き出し・あらすじ・心に残った場面と理由・まとめ」の4つのまとまりに並べてから書くと、迷わずに書き上げられます。
感想文が書けない人の多くは、書くことが決まっていないまま原稿用紙に向かっています。
先にメモで材料をそろえておけば、書くときは並べてつなぐだけになります。
読書感想文は、本の内容を紹介する文章ではなく、本を読んで自分がどう感じ、どう考えたかを伝える文章です。
この記事では、その「自分の感じたこと」を引き出す手順から説明します。

読書感想文を書く前の準備|読みながらメモを取る

感想文の出来は、書く前の準備でほぼ決まります。
心が動いたページに付箋を貼る
本を読みながら、「おもしろい」「悲しい」「どうして?」「自分と似ている」と感じたページに付箋を貼っておきましょう。
付箋に一言だけ、そのとき感じたことを書いておくと、あとで感想を思い出しやすくなります。
読み終えたら5つの質問に答える
読み終えたら、次の質問の答えをノートに書き出します。
- いちばん心に残った場面はどこか
- その場面で、なぜ心が動いたのか
- 自分が主人公だったらどうするか
- 似たような経験をしたことはあるか
- 読む前と読んだあとで、考えが変わったことはあるか
この5つの答えが、そのまま感想文の材料になります。
読書感想文の構成|原稿用紙での配分の目安

メモがそろったら、4つのまとまりに並べて構成を決めます。
書き出し(全体の1割)
本を選んだ理由や最初の印象、いちばん心に残った場面などから書き始めます。
あらすじ(全体の1〜2割)
感想を理解してもらうのに必要なところだけを短く書きます。
話の最初から最後まで全部を説明する必要はありません。
心に残った場面と理由(全体の5〜6割)
感想文の中心です。
心に残った場面を一つか二つにしぼり、なぜ心が動いたのか、自分ならどうするか、自分の体験とどうつながるかを書きます。
まとめ(全体の1〜2割)
本を読んで考えが変わったこと、これからやってみたいことを書いて締めくくります。
感想文の半分以上は「心に残った場面と理由」に使い、あらすじは全体の2割までにおさえるのが、読みごたえのある感想文にするコツです。
学年ごとの字数の目安や、原稿用紙の基本ルールは読書感想文の書き方まとめ|学年別の字数・構成・本の選び方で紹介しています。
学年に合わせたくわしい書き方は、次の記事でまとめています。

あわせて読みたい:読書感想文のおすすめの本【高校生】|近代文学・現代小説・戦争の名作
読書感想文の書き出しのコツ|4つのパターン

書き出しに迷ったら、次の4つのパターンから選んでみてください。
ここでは、芥川龍之介の『杜子春』を読んだ場合の、オリジナルの書き出し例を紹介します。
パターン1:本を選んだ理由から
例:「お金持ちになったら幸せになれるのだろうか。
ぼくはずっとそう思っていた。
『杜子春』を選んだのは、その答えが書いてありそうな気がしたからだ。
」
パターン2:心に残った場面から
例:「『お母さん。
』杜子春がその一言を叫んだ場面で、わたしは思わず本を閉じてしまった。
」
パターン3:問いかけから
例:「もし、どんな願いでもかなえてくれる人が目の前に現れたら、あなたは何を願うだろうか。
」
パターン4:自分の体験から
例:「去年、欲しかったゲームを買ってもらったのに、一週間であきてしまったことがある。
『杜子春』を読んで、そのときのことを思い出した。
」
どのパターンでも、書き出しは2〜3文におさめ、すぐに本の話につなげるのがポイントです。
ミステリーや歴史の本で感想文を書くときのコツ

ジャンルによって、感想文で気をつけたいポイントが少し変わります。
ミステリーの読書感想文の書き方
ミステリーは、犯人や結末を明かしてしまうと、これから読む人の楽しみを奪ってしまいます。
結末にくわしく触れるより、登場人物がなぜその行動をとったのか、自分はどこで推理をまちがえたのか、といった点に注目すると、ミステリーならではの感想文になります。
歴史の本の読書感想文の書き方
歴史上の人物の伝記や歴史小説では、その人物の生き方と、今の自分の生活を比べてみましょう。
「時代は違っても、〜という気持ちは同じだと思った」「今の自分なら〜できるだろうか」と考えると、自分との距離が近づきます。
歴史小説は史実と作者の想像が混ざっていることもあるので、気になったところは図鑑や事典で確かめると、感想文に書ける発見が増えます。
読書感想文でよくある悩みと対処法

感想文を書いていてぶつかりやすい悩みと、その対処法をまとめます。
字数が足りないとき
あらすじを増やして字数をかせぐのはやめましょう。
心に残った場面について、「そのとき自分はどう感じたか」「なぜそう感じたか」「似た経験はあるか」を一つずつ書き足すと、中身のある文章で字数が増えます。
読書感想文は成績に入る?
夏休みの宿題として出される読書感想文を、成績にどう反映するかは学校や先生によって違います。
気になる場合は、提出の決まりとあわせて先生に確認しておくと安心です。
読書感想文はパソコンで書いてもいい?
学校の宿題でパソコンを使ってよいかは、先生の指示に従ってください。
全国学校図書館協議会と毎日新聞社が主催する青少年読書感想文全国コンクールでは、原稿用紙に縦書きで自筆することが決まりで、デジタル機器は使えません(自筆が難しい場合は理由を添えて応募できます)。
第71回の読書感想文コンクールの結果と今年度の募集
青少年読書感想文全国コンクールの公式サイトでは、2025年度に行われた第71回の入賞者が発表されていて、内閣総理大臣賞と文部科学大臣賞の作品はサイト上で読むことができます。
2026年度は第72回として募集が行われていて、応募は学校を通じて行い、締め切りは都道府県によって異なります。
中学生向けの課題図書や学年別の名作は読書感想文のおすすめの本【中学生】で紹介しています。
入賞作品は書き方の工夫を知る参考になりますが、文章を写して提出してはいけません。
読書感想文をnoteなどで公開するときは
大人が読書の記録として、noteなどのブログサービスに読書感想文を公開する人もいます。
公開するときは、結末のネタバレに配慮し、本の文章を長く引用しないようにしましょう。

よくある質問

読書感想文は何から書けばいい?
原稿用紙に向かう前に、心に残った場面と、そのとき感じたことをメモに書き出すことから始めましょう。
メモを4つのまとまりに並べれば、それが感想文の骨組みになります。
読書感想文の題名はどうつける?
本の題名をそのまま使う「『〇〇』を読んで」でもかまいませんが、感想文でいちばん伝えたいことを短い言葉にすると印象に残ります。
題名は、本文を書き終えてから考えると、内容に合ったものをつけやすくなります。
あらすじはどのくらい書けばいい?
全体の1〜2割を目安に、感想を理解してもらうのに必要なところだけ書きます。
あらすじが長くなると、自分の考えを書く部分が減ってしまいます。
「思いました」ばかりになってしまう
「〜と思いました」が続くときは、「〜に驚いた」「〜が許せなかった」「〜と気づいた」など、気持ちを具体的に表す言葉に言いかえてみましょう。
文の終わり方を変えるだけで、感想文が読みやすくなります。
どんな本を選べば書きやすい?
主人公が自分と近い年齢や立場の本、読み終えて「なぜ?」と考えたくなる本は、感想が出しやすい本です。
書きやすい本の選び方とジャンル別の名作は読書感想文のおすすめの本で詳しく紹介しています。
分厚い本や難しい本を選ぶ必要はありません。
例文を参考にしてもいい?
書き出しや構成の型を知るために例文を読むのはかまいません。
ただし、中身は必ず自分が感じたことで書き、ほかの人の文章をそのまま写さないようにしてください。
まとめ:読書感想文は「メモ」と「4つのまとまり」で書ける

読書感想文の書き方を振り返ります。
| やること | ポイント |
|---|---|
| 準備 | 心が動いたページに付箋。読み終えたら5つの質問に答える |
| 構成 | 書き出し1割・あらすじ1〜2割・場面と理由5〜6割・まとめ1〜2割 |
| 書き出し | 選んだ理由・心に残った場面・問いかけ・自分の体験の4パターン |
| ジャンル別 | ミステリーは結末を明かさない。歴史は今の自分と比べる |
| 字数が足りない | あらすじではなく、理由と体験を書き足す |
読書感想文は、上手な文章より、自分の心の動きが伝わる文章が大切です。
メモを作るところから始めて、自分の言葉で書き上げてください。

