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読書は認知症予防になる?研究で分かっていること|脳トレとしての続け方

読書は認知症予防になる?研究で分かっていること|脳トレとしての続け方 読書の効果・メリット
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年齢とともに物忘れが気になってきて、読書は認知症予防になるのか、脳トレやボケ防止として本を読む習慣は意味があるのか、知りたいと思っていませんか?

この記事では、読書と認知症予防の関係について、研究で分かっていることと限界、認知症予防の考え方全体の中での読書の位置づけ、無理なく続ける読み方を解説します。

読み終えるころには、読書にどこまで期待してよいかが分かり、自分や家族の生活に合った形で読書を習慣にできるようになります。

読書は認知症予防になる?「リスクが低い傾向」はあるが予防法とまでは言えない

読書は認知症予防になる?「リスクが低い傾向」はあるが予防法とまでは言えない

本を読むなど頭を使う活動をよくする高齢者は、認知症になりにくかったり、記憶力の低下がゆるやかだったりする傾向が研究で見られますが、読書だけで認知症を防げると証明されたわけではありません。

読書は、文字を読んで意味を理解し、内容を覚えておきながら先を読み進める活動です。

こうした「頭を使う習慣」を続けている人ほど認知機能が保たれやすい、という研究はいくつもあります。

一方で、もともと認知機能が高い人ほど本を読む、という逆向きの関係も考えられるため、研究者たちも「読書が原因」とまでは言っていません。

読書は、認知症予防の決め手というより、脳を使う生活習慣の一つとして取り入れるのが現実的です。

読書と認知症予防で分かっていることと言いすぎになること
読書と認知症予防で分かっていることと言いすぎになること

読書と認知症の関係|研究で分かっていること

読書と認知症の関係|研究で分かっていること

読書と認知症・認知機能の関係を調べた代表的な研究を紹介します。

読書をよくする高齢者は認知症の発症が少なかった(2003年)

アメリカのアルバート・アインシュタイン医科大学のバーギーズらは、2003年に医学誌「New England Journal of Medicine」に研究を発表しました。

認知症のない75歳以上の469人を、中央値で約5年追跡したところ、頭を使う余暇活動をよくする人ほど認知症になるリスクが低い傾向があり、活動の中では読書、ボードゲーム、楽器の演奏、ダンスで関係が見られたと報告されています。

頭を使う活動を続けた人は記憶力の低下がゆるやか(2013年)

アメリカのラッシュ大学のウィルソンらが2013年に神経学の専門誌「Neurology」に発表した研究では、高齢者294人を亡くなるまで毎年検査しました。

読書や書き物など頭を使う活動を晩年も多く続けていた人は、平均的な人に比べて記憶力の低下が約32%ゆるやかだったと報告されています。

どちらも「関係がある」ことを示した研究

これらは、読書をする人としない人の経過を比べた観察研究です。

本を読む人は、ほかにも人付き合いが多い、学歴が高いなど、認知症になりにくい条件を持っていることもあり、研究者は統計的に調整していますが、完全に取り除くことはできません。

読書の健康効果の研究は読書の効果|研究で分かっている読書の良さと根拠が弱い話でも紹介しています。

読書と認知症に関する研究
読書と認知症に関する研究

読書は脳トレになる?ボケ防止の考え方

読書は脳トレになる?ボケ防止の考え方

「読書はボケ防止になる」「脳トレとして本を読む」という考え方は、どこまで正しいのでしょうか。

国際的な評価では「脳トレ」の根拠はまだ弱い

世界保健機関(WHO)が2019年に公表した認知機能低下と認知症のリスク低減に関するガイドラインでは、認知トレーニングは認知機能が正常な高齢者や軽度認知障害の人に提供してもよいとしつつ、効果を支える根拠の質は「非常に低い〜低い」と評価されています。

読書を脳トレとして続けること自体は悪くありませんが、「これさえやれば大丈夫」と考えるのは避けたほうがよさそうです。

認知症のリスクは生活全体で考える

医学誌「The Lancet」の認知症に関する委員会は2024年の報告で、認知症の約45%は、生活の中で変えられる14のリスク要因に対処することで予防や先送りができる可能性があるとまとめています。

その中には、若いころの教育の少なさ、難聴、高血圧、喫煙、運動不足、社会的な孤立、治療されていない視力の低下などが含まれています。

認知症予防には、読書のような頭を使う習慣に加えて、運動、人との交流、血圧などの健康管理、目や耳の不調を放っておかないことを組み合わせるのが大切です。

本ばかり読んでいるとボケる?

「読書ばかりしているとボケる」という話を見かけることもありますが、読書が認知症の原因になるという研究は見当たりません。

ただ、家に閉じこもって一日中座りっぱなしだと、運動不足や人との交流の少なさにつながるので、読書と外出・運動のバランスをとることは大切です。

あわせて読みたい:読書のデメリット6つと対策|メリットと合わせて知っておきたいこと

認知症予防を意識した読書の続け方

認知症予防を意識した読書の続け方

読書を無理なく続けて、頭を使う習慣にするためのコツを紹介します。

好きなジャンルの本を選ぶ

続けるためには、難しい本より、楽しく読める本を選ぶことがいちばん大切です。

若いころに好きだった作家の本や、趣味に関する本、短い話が集まったエッセイなどは、気軽に手に取りやすくなります。

文字の大きさと明るさを整える

文字が小さくて読みにくいと、読書そのものが負担になります。

老眼鏡を合わせる、明るい場所で読む、文庫本より文字の大きい単行本や大活字本を選ぶ、電子書籍で文字を大きくするといった工夫で、目の疲れを減らせます。

声に出して読む・人と話す

ときどき音読すると、黙読より多くの働きを使いながら読めます。

読んだ本について家族や友人と話したり、図書館の読書会に参加したりすれば、人との交流も生まれます。

読んだら一言メモを残す

読んだ日付と書名、心に残ったことを一言だけノートに書いておくと、内容を思い出すきっかけになります。

後で見返したときに「こんなに読んだ」と分かるので、続ける励みにもなります。

読書と脳の関係については読書の効果と脳の関係|前頭葉・ドーパミン・右脳左脳の話を研究で検証もあわせてどうぞ。

認知症予防を意識した読書の続け方
認知症予防を意識した読書の続け方

家族にすすめるときに気をつけたいこと

家族にすすめるときに気をつけたいこと

親や祖父母に、認知症予防のために読書をすすめたいと考える人もいるでしょう。

「予防のため」と押しつけない

「ボケないように本を読んで」と言われると、相手は楽しい気持ちで本を開けません。

本人が興味を持ちそうな本を一緒に選んだり、読み終えた本の感想を聞いたりするほうが、自然に読書の時間が増えます。

物忘れが気になるときは医療機関へ

物忘れが急に増えた、同じことを何度も聞くようになったなど、気になる変化があるときは、読書で様子を見るのではなく、かかりつけ医や地域の相談窓口に相談してください。

大人になってからの読書の意味については読書の効果は大人になってからでもある?社会人が本を読む意味で紹介しています。

よくある質問

よくある質問

読書は認知症予防になるか?

読書など頭を使う活動をよくする高齢者ほど、認知症になりにくい傾向が研究で見られます。

ただし、読書だけで認知症を防げると証明されたわけではないので、運動や人との交流などと組み合わせるのがおすすめです。

どんな本を読めば脳トレになる?

特定の本が脳トレに効くという根拠はありません。

続けることがいちばん大切なので、本人が楽しく読める本を選ぶのがおすすめです。

漫画や雑誌でもボケ防止になる?

漫画や雑誌も、文字や絵から内容を理解する点では頭を使う活動です。

研究で「読書」とされている内容はさまざまなので、読みやすいものから始めて、少しずつ文章の多い本にも手を伸ばしてみてください。

1日どれくらい読めばいい?

認知症予防に必要な読書時間は、研究でもはっきり決まっていません。

まずは1日10〜15分でも、毎日本を開く習慣をつくることを目標にすると続けやすくなります。

音読と黙読はどちらがいい?

音読は、目で見て声に出して耳で聞くので、黙読よりも多くの働きを同時に使います。

黙読でも頭は使っているので、好きな一節をときどき声に出して読むなど、両方を取り入れるとよいでしょう。

すでに物忘れがある人にも読書はいい?

本人が楽しめるなら、読書は生活の中で頭を使う時間になります。

ただし、読書で治療の代わりになるわけではないので、気になる症状があれば医療機関に相談してください。

まとめ:読書は認知症予防の「習慣の一つ」として続けよう

まとめ:読書は認知症予防の「習慣の一つ」として続けよう

読書と認知症予防の関係を振り返ります。

知りたいこと 答え
読書は認知症予防になる? 読書をよくする高齢者ほど認知症が少ない傾向。ただし予防法として証明されたわけではない
研究の例 75歳以上469人の追跡(2003年)、高齢者294人の毎年検査(2013年)
脳トレの評価 WHOは根拠の質を「非常に低い〜低い」と評価(2019年)
予防の考え方 頭を使う習慣+運動・交流・健康管理・目や耳のケア
続け方 好きな本・読みやすい環境・音読や会話・一言メモ

読書は、年齢に関係なく一人でも気軽に始められる、頭を使う習慣です。

楽しめる一冊から、毎日少しずつ本を開いてみてください。

次に読む:読書療法とは?うつ・ストレスへの効果と論文|読書セラピーのやり方
読書の効果とメリットまとめ|本を読むと何が変わるかを研究とデータで解説

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