子どもに本を読ませたほうが成績が上がるのか、読書と勉強はどう関係しているのか、読書は勉強の時間に入れていいのか、気になって調べていませんか?
この記事では、読書と勉強・学力の関係を、全国学力・学習状況調査のデータや海外の研究をもとに解説し、「関係ない」という意見や、相関と因果関係の違いも整理します。
読み終えるころには、読書と学力のデータを正しく読めるようになり、勉強と読書をどう両立させればいいかが分かります。
読書と勉強・学力には関係がある|読書が好きな子ほど正答率が高い

読書と学力には関係があり、全国学力・学習状況調査では、読書が好きな子や読書時間がある子ほど、各教科の正答率が高い傾向が出ています。
令和7年度の調査では、読書が好きと答えた小学6年生の国語の平均正答率は73.6%で、好きではないと答えた子の56.2%より17ポイントほど高くなりました。
ただし、これは読書と学力の「相関」を示したもので、読書をすれば必ず成績が上がると証明したものではありません。
読書は、学力を支える土台の一つと考えるのが正確です。

読書と学力の関係をデータで見る

読書時間別の国語の正答率(小学6年生)
全国学力・学習状況調査(令和7年度)の報告書には、平日の読書時間ごとの平均正答率がグラフで示されています。
小学6年生の国語をグラフから表にすると、次のとおりです。
| 平日1日の読書時間 | 国語の平均正答率 |
|---|---|
| 2時間以上 | 72.3% |
| 1時間以上2時間未満 | 72.1% |
| 30分以上1時間未満 | 71.1% |
| 10分以上30分未満 | 69.1% |
| 10分未満 | 65.1% |
| 全くしない | 62.2% |
数値は、国立教育政策研究所が公表した令和7年度の報告書のグラフに示された値です。
読書を全くしない子と、30分以上読む子の間には約9〜10ポイントの差があります。
一方で、30分以上になると正答率はほぼ横ばいで、長く読めば読むほど上がり続けるわけではありません。
読書が好きかどうか別の正答率
「読書は好きですか」への答え別に見ると、小学6年生の国語の平均正答率は、「当てはまる」73.6%、「どちらかといえば当てはまる」66.3%、「どちらかといえば当てはまらない」62.9%、「当てはまらない」56.2%でした(報告書のグラフに示された値)。
読書時間より、読書が好きかどうかのほうが、正答率の差が大きく出ています。

読書と学力の相関と因果関係|「関係ない」という意見も

相関は「一緒に高い」、因果は「原因になる」
相関とは、一方が高いともう一方も高い、という関係のことです。
因果関係は、一方が原因となってもう一方が起きる関係のことで、相関があっても因果関係があるとは限りません。
家庭環境などほかの要因が関わっている
全国学力・学習状況調査の報告書では、家にある本の冊数を、家庭の社会経済的な背景を表す代わりの指標として使っています。
本が多い家庭の子は、読書の習慣があるだけでなく、学びに関わるほかの環境にも恵まれている可能性があります。
このため、「読書と学力は関係ない」「家庭環境の差を見ているだけ」という意見が出てくるのです。
因果関係に近づいた研究もある
ロンドン大学教育研究所のサリバンとブラウンは、1970年生まれのイギリス人約6,000人のデータを分析しました。
家庭の背景と、5歳・10歳時点の成績が同じ子ども同士で比べても、楽しみで本を読んでいた子は、10歳から16歳までの語彙、つづり、算数の伸びが大きかったと報告しています。
ほかの条件をそろえても差が残ったことから、読書が学力の伸びに関わっている可能性が高いと考えられていますが、完全な証明ではありません。
あわせて読みたい:読書で語彙力は上がる?研究とデータで見る関係|読解力が伸びる読み方
読書は勉強に入る?勉強になる読書の仕方

調査では読書と勉強は別に数えている
全国学力・学習状況調査では、読書時間を尋ねる質問で「教科書や参考書、漫画や雑誌は除く」としていて、勉強時間とは別の質問で尋ねています。
調査の上では、教科書や参考書を読むのは勉強、それ以外の本を読むのが読書、と分けて考えられています。
読書が勉強になる読み方
ただし、読書が勉強にならないという意味ではありません。
- 知らない言葉を辞書で調べながら読む
- 学校で習っている内容に関わる本を選ぶ
- 読んだあとに内容を人に説明してみる
- 感想や要点を短く書いてみる
このように読むと、読書が語彙や読解、書く力の練習にもなります。
勉強の休憩に読書はあり?
勉強の合間の休憩に読書をすること自体は、気分転換として悪くありません。
ただ、続きが気になる小説を読み始めると休憩が長引きやすいので、10分など時間を決めたり、短いエッセイを選んだりするのがおすすめです。

学力につながる読書習慣のつけ方

「好き」を育てることを優先する
データでは、読書時間より読書が好きかどうかのほうが正答率と強く関係していました。
無理に難しい本を読ませるより、子どもが楽しめる本を一緒に探すほうが、読書習慣につながりやすいと考えられます。
1日30分ほどを目安にする
正答率は、平日30分以上読む子でほぼ横ばいになっていました。
長時間の読書を強いるより、毎日30分ほど本を開く習慣をつくるほうが、勉強や睡眠との両立もしやすくなります。
家族で本の話をする
読んだ本について家族で話すと、内容を思い出して言葉にする練習になります。
大人が本を読む姿を見せることも、子どもが本を手に取るきっかけになります。
よくある質問

読書と学力は本当に関係がある?
全国学力・学習状況調査でも海外の研究でも、読書と学力には関係が見られます。
ただし、報告書に示された小学6年生の国語との相関係数は、読書時間が0.173、読書が好きかどうかが0.263と、強い関係とまではいえない値で、読書だけで学力が決まるわけではありません。
読書は勉強に入る?
学力調査では、教科書や参考書を読む時間は勉強、それ以外の本を読む時間は読書として別々に数えています。
とはいえ、調べながら読んだり内容をまとめたりすれば、読書も立派な学びになります。
読書時間が長いほど成績は上がる?
令和7年度の調査では、平日30分以上読む子の国語の正答率はほぼ横ばいでした。
長く読むほど上がり続けるわけではないので、毎日少しずつ続けることを大切にしましょう。
読書と学力の関係のグラフはどこで見られる?
国立教育政策研究所の「全国学力・学習状況調査 報告書」のうち、質問調査の結果をまとめた資料や概要版に、読書に関する質問と正答率のクロス集計のグラフが載っています。
最新の年度の報告書を確認してください。
漫画を読んでも学力は上がる?
学力調査の読書時間は漫画を除いて尋ねているため、漫画と学力の関係はこのデータからは分かりません。
漫画に加えて、文章中心の本も読むのがおすすめです。
まとめ:読書は学力の土台、まずは「好き」を育てる

読書と勉強・学力の関係を振り返ります。
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 読書と学力の関係 | 読書が好きな子ほど正答率が高い(小6国語 73.6%と56.2%) |
| 読書時間との関係 | 全くしない62.2%、30分以上は71〜72%台でほぼ横ばい |
| 因果関係 | 未証明。家庭環境も関係するが、条件をそろえても差が残った研究あり |
| 読書は勉強に入る? | 調査では別に数える。調べながら読めば学びになる |
読書は、すぐに点数を上げる魔法ではありませんが、言葉と読み解く力という学力の土台を育てます。
まずは子どもが「読書が好き」と思える一冊を見つけるところから始めてみてください。
読書で伸びる力は読書で頭は良くなる?語彙力・読解力・想像力との関係をデータで解説、子どもの読書量の最新データは読書離れのデータ最新版|文化庁・学校読書調査・大学生協の結果まとめで紹介しています。
次に読む:読書は意味ない?時間の無駄と言われる理由と反論|読書は必要か
読書の効果とメリットまとめ|本を読むと何が変わるかを研究とデータで解説

